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広告・景品規制

「誇大広告」とは?押さえておくべき4つの法律と罰則を分野別に解説

2020.03.192025.11.27
この記事の目次

    はじめに

    問題のある広告としてよく言われる「うそ、大げさ、まぎらわしい」のうち、「うそ」や「大げさ」な表現で消費者に誤認を与えるのが「誇大広告」です。

    事業者が商品やサービスを宣伝するとき、より良く見せるためには広告の文言にも気を配る必要がありますが、あまりに実際の商品などとかけ離れているような広告は、「誇大広告」として景表法などに違反する可能性があります。

    それでは、消費者に誤認を与えるおそれのある表現とはどのような表現をいうのでしょうか。

    今回は、誇大広告に対する法規制や罰則、NGワード(表現)などについて、弁護士がわかりやすく解説します。

    この記事を書いた人

    勝部 泰之勝部 泰之弁護士
    データサイエンス研究しながら仕事してる弁護士。
    一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科に在籍中。主な興味分野は経営学、高次元統計、自然言語処理、ゲーム理論、金融アルゴリズム、ブロックチェーン。
    研究リポジトリはこちら↗

    1 消費者向けの誇大広告とは

    308_1

    消費者向けの誇大広告は、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法、景表法)という法律で規制されています。

    (1)景表法とは

    景表法には「事業者が不当な手段で消費者を引き付けることを抑止する」という目的があり、これにより、消費者も安心して商品やサービスを選ぶことができようになるものです。

    商品やサービスを開発した事業者としては、その商品やサービスが魅力的に見えるよう宣伝文句に工夫を凝らしたいところですが、その点に重きを置きすぎた広告は、「誇大広告」として、消費者を誤認させてしまう可能性があります。

    とはいえ、「広告」は、事業者にとって自社の商品やサービスをアピールするものでもあるため、多少の誇張であれば許されるだろうと考えることも不自然ではありません。

    そこで景表法は、広告における一切の誇張を禁じることはせずに、誇張が程度を超えた広告(誇大広告)を「不当表示」として規制しているのです。

    (2)広告内容を規制する「不当表示」とは

    景表法で規制されている「不当表示」には、以下の3つの種類があります。
    1. 有利誤認表示
    2. 優良誤認表示
    3. その他誤解されるおそれのある表現
    それぞれ以下で説明します。

    2 「お得なようでそうじゃなかった」有利誤認表示とは

    308_2

    (1)どのようなものか

    「有利誤認表示」とは、商品やサービスの価格といった取引条件が「実際のものや同業他社よりも著しく有利であると消費者に思わせる表示」のことを指します。

    つまり、「お得なように見えて、実はそうではなかった」という表示がこれに当たります。

    (2)主な有利誤認表示

    有利誤認表示にあたる例としては、「二重価格表示」を始め、下記のようなケースがあります。

    ①二重価格表示

    自社の価格とそれよりも高い価格(比較対照価格)を併記することを「二重価格表示」といいます。

    二重価格表示をもって直ちに有利誤認表示にあたるとはいえませんが、たとえば、比較対照価格について、
    • 別の商品の価格を表示している
    • どのような価格なのか表示があいまい(たとえば、過去の価格なのか希望小売価格なのかなど)
    といったように適正な表示がなされていない場合には、有利誤認表示にあたる可能性があります。

    ②実は追加料金がかかる

    「表示された料金さえ払えば、サービスの全てを受けられる」と取られるような表示であるにも関わらず、実際には追加料金がかかる場合には、取引条件について有利であると一般消費者に誤認されるおそれがあります。

    ③実は内容量が多くない

    「内容量が他社製品の●倍」と取れるような表示をしておきながら、実は同じ内容量、またはそれよりも少ない量しか入っていないような場合には、取引条件について有利であると一般消費者に誤認されるおそれがあります。

    3 「良さそうだったのに、そうじゃなかった」優良誤認表示とは

    308_3

    (1)どのようなものか

    「優良誤認表示」とは、商品やサービスの内容、品質などについて、実際のものや同業他社に係るものよりも著しく良いものに見せる表示です。

    「商品がとても良いものに見えたのに、そうではなかった」という表示がこのパターンです。

    もっとも、「良いもの」であるかどうかには個人の主観が入るため、優良誤認表示に当たらないというためには、商品やサービスが備える効果・性能について、合理的な根拠があることが必要です。

    たとえば、「合理的な根拠」として下記のような基準を示すことが考えられます。
    1. 品質⇒成分表示や添加物の含有率、性能、効果など
    2. 規格⇒公的機関が定めた認証などを経て表示できるものなど
    3. その他の内容⇒原産地、製造方法、受賞歴、有効期限など

    (2)主な優良誤認表示

    優良誤認表示にあたる例としては、下記のようなケースがあります。
    • 実は●●(国産、著名ブランドなど)ではないのに、●●に見えるような表示をする
    • 適正な比較方法を使わず、実績を同業他社より多いように見せる表示をする
    • 「天然もの使用!」と表示しておきながら、実は人工や養殖ものだった
    • 成分表示に「●●100%」とあったのに、そうではなかった
    このように、商品やサービスの内容、品質などに関する表示が、実際のものや他社のものより著しく優良であることを示すものであって、商品を購入することへの合理的な判断を阻害するような場合には、優良誤認表示として不当表示にあたります。

    ※有利誤認表示、優良誤認表示の事例については「景表法に違反した事例と罰則とは?3つのポイントをIT弁護士が解説」の記事をご参考ください。

    (3)不実証広告規制とは

    優良誤認表示の疑いがある場合、消費者庁は、その表示が優良誤認表示にあたるかどうかを判断するために、事業者に対し、裏付け資料の提出を求めることができます。このような措置を「不実証広告規制」といいます。

    ここでいう「裏付け資料」は、表示内容の裏付けとなる合理的な根拠(イメージや個人の主観などではないもの)を示すものでなければなりません。

    そのため、たとえば、調査や実験結果、専門家の見解や学術論文などを示す必要があります。

    裏付け資料の提出期限は、原則として、消費者庁長官が資料の提出を求めた日から15日後です。

    提出期限内に資料を提出しなかった場合や提出した資料が合理的な根拠を示すものでないと判断された場合には、消費者庁から措置命令を受けることになり、また、事業者が反証に成功しない限り、課徴金を納付しなければなりません。

    4 「その他誤認されるおそれのある表示」とは

    308_4

    このほか、消費者に誤認されるおそれがあるものとして、下記の6種類が内閣総理大臣より「不当表示」として指定されています。
    1. 無果汁の清涼飲料水等についての表示
    2. 原産国についての表示
    3. 消費者信用の融資についての表示
    4. 不動産おとり広告についての表示
    5. おとり広告についての表示
    6. 有料老人ホームについての表示
    順番にみていきましょう。

    (1)無果汁の清涼飲料水等についての表示

    果肉や果汁を含まない、または含有量が5%未満の清涼飲料水、アイスクリーム、乳飲料などについて、無果汁・無果肉であること、または、含有量を明示せずに、以下の表示をすることは不当表示に当たります。
    • 果実名を使った商品名などの容器・包装などへの記載
    • 果実の写真などの容器・包装などへの記載
    • 果汁や果肉と同一または類似する着色・味付けなどが清涼飲料水やその容器・包装にもなされている場合

    (2)原産国についての表示

    商品を購入するにあたり、消費者において、原産国を識別することに困難を来すような場合、下記の表示は「不当表示」にあたります。
    • 原産国以外の国名、地名、国旗などの表示
    • 原産国以外の国の事業者名、デザイナー名、商標などの表示
    • 国内産の商品について、文字表示の全部または主要部分が外語(文字)で示されている表示
    • 外国産の商品について、文字表示の全部または主要部分が和文で示されている表示

    (3)消費者信用の融資についての表示

    「消費者信用」とは、消費者の支払能力などに基づいた信用を元に貸付を行う金融サービスです。

    消費者信用の融資費用については、原則として、実質年率(借入額+諸費用を基準として算出した金利)を明確に表示しなければなりません。

    実質年率が明確に表示されていない場合、下記の表示は「不当表示」にあたります。
    • 借りた金額に利息や手数料を上乗せする「アドオン」方式による融資費用の率の表示
    • 日割や月割といった、年割以外の利息や手数料などの融資費用の率の表示
    • 融資費用の額の表示
    • 返済事例による融資費用の表示
    • 融資費用の一部について、年建てでの率の表示

    (4)不動産おとり広告についての表示

    消費者をひきつけるための手段として、以下の表示を用いた場合、その表示は「不当表示」にあたります。
    • 実際には存在しないため、取引ができない不動産についての表示(実在しない不動産や住所の表示)
    • 実際に存在するものの、取引対象になりえない不動産についての表示(売却済みの不動産など)
    • 実際に存在するものの、取引するつもりがない不動産についての表示
    なお、不動産については、おとり広告とは別に、誇大広告について定めた規定があります。後の項目で解説します。

    (5)おとり広告についての表示

    消費者を引き付けるための「おとり」として示されている以下の表示は、「不当表示」にあたります。
    • そもそも準備がないなど、取引に応じることができない商品やサービスについての表示
    • 商品またはサービスの供給量が著しく限定されているにもかかわらず、その旨が明示されていない表示
    • 商品またはサービスの供給について、期間、相手、消費者1人当たりの量が限定されているにもかかわらず、その旨が明示されていない表示
    • 取引の成立を妨害するなど、事業者に取引の意思がない商品やサービスの表示

    (6)有料老人ホームについての表示

    有料老人ホームの施設や設備、サービスについて示された以下のような表示は「不当表示」にあたります。
    • 入居後別の部屋に移るための条件などが明確にされていない表示
    • 有料老人ホームが介護サービスの提供者ではないのに、その旨の記載が明確でない表示
    • 夜間の介護職員、看護師の数などが明確でない表示

    5 健康食品や医薬・医療機器にまつわる広告

    308_5
    健康食品や、医薬・医療機器にまつわる広告も「誇大広告が多い」「だまされる」と言われがちな分野です。

    口に入れるものは健康などに直接関わるため、誤解を受けないための表示をする必要があります。

    ※施術など医療行為についての広告は、この項目の末尾の記事リンクを参照ください。

    (1)健康食品の広告規制はどんなものか

    ①健康食品とは

    意外に思われるかもしれませんが、「健康食品」には法律上の定義がありません。

    健康を保持したり、増進したりするための食品全般を指す用語として使われています。

    サプリメントなど、見た目がカプセルや錠剤であっても、医薬品などの認可を受けていない限りは、口に入れることのできる「食品」とされています。

    「健康食品」と呼ばれるものには、下記の区分があり、これらを事業として取り扱う場合には、届出や許可が必要となるものもあります。
    (ⅰ)機能性表示食品:事業者が科学的根拠を示し、消費者庁へ届け出る
    (ⅱ)特定保健用食品:有効性は国が審査、消費者庁が許可
    (ⅲ)栄養機能食品:許認可は必要ないが、規格や記載できる内容は決まっている

    ②規制内容

    食品全般に関する広告を規制する「健康増進法」は、「食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をする者」を規制対象としているため、健康食品として販売に供する物に関して広告をする事業者も健康増進法の規制対象に含まれることになります。

    同法では、「健康の保持や増進の効果など」について、以下のような表示をすることを禁止しています。
    • 著しく事実に反する(虚偽広告)
    • 著しく人を誤認させる(有利誤認表示や優良誤認表示などの誇大広告)
    つまり、広告全体から消費者が一般的に受けるであろう健康食品の効能・効果などの印象、期待感などと、実際の効能・効果などがあまりにかけ離れている場合には、健康増進法に違反する可能性があります。

    なお、景表法では、「商品・サービスを供給する事業者」(メーカーなど)のみが規制対象者となっているのに対し、健康増進法では、これに加え、広告代理店やメディア、商業施設も規制対象者となるため注意が必要です。

    ③やってはいけない表現など

    保健機能食品などは、許認可を受けた範囲を超えた表記や、根拠となるデータのグラフなどの表示が不適切であると指導対象となります。

    ここでいう「保健機能食品」とは、①の(i)~(iii)で説明している「機能性表示食品」「特定保健用食品」「栄養機能食品」の総称です。

    また、特定の用語などが規制されるというよりは、写真やイラストなど全体を含めて評価されることになります。

    注意したいポイントは下記の5つです。
    1. 許認可の内容を超えた表現をしていないか(医薬品の認可を受けていないのに薬効をうたう、など)
    2. 不適切なデータを使用していないか(データ収集の過程に不正があるなど)
    3. 科学的根拠が合理性を欠いていないか(主観に基づく判断があるなど)
    4. 誤認させる表示はないか(文字の大きさやイラスト、デザインなど)
    5. 国が定める基準で表示をしているか(表示するべきデータをルール通りに出していないなど)

    (2)医薬品・医療機器の規制はどんなものか

    ①規制内容

    薬機法では医薬品や医療機器、化粧品などにおける、製造や効能・効果、性能に関して虚偽・誇大な記事を広告することを禁じています。

    特に、医師などが効果や性能を保証していると誤認されるような言い回しを使った広告は、「虚偽・誇大広告」にあたるとされているため、注意が必要です。

    ②やってはいけない表現など

    「あの●●先生も勧める」など、メディアに登場する著名な医師の名前のもとに効能をうたったりするなどは、避けるべきでしょう。

    また、医薬品などについて「堕胎を思わせるもの」や、公序良俗に反する「わいせつに当たる図画や文書」は使用できません。

    ※治療や施術などの医療広告については「ビフォーアフター写真はNG?医療広告規制の3つのポイントを解説!」で解説していますので、参考にしてみてください。

    6 不動産の誇大広告

    308_6
    先に見たように、景表法では、不当表示のうち「その他誤認されるおそれのある表示」として、不動産のおとり広告が指定されていました。

    不動産分野では、景表法のほかにも「宅建業法」という法律により、誇大広告が禁止されています。

    (1)規制内容

    宅建業法が「誇大広告」を禁止している対象は、宅地建物取引業者です。

    ここでいう「宅地建物取引業者」とは、主に、土地や建物といった不動産を対象とした売買・賃貸などの仲介などを行う事業者のことをいいます。

    宅地建物取引業者が不動産広告をする場合、物件の実態、金額などについて、
    1. 著しく事実と反する表示
    2. 実際のものよりも著しく良く見せたり、有利に見せたりする表示
    することが禁じられます。

    具体的には、不動産の所在、規模、形質もしくは将来の利用の制限、環境や交通その他の利便性、賃料や価格、その支払方法などを、上記の手法で加工することをいいます。

    このほかにも、不動産公正取引協議会連合会が自主規制として設けている「不動産の表示に関する公正競争規約」が不動産広告について一定のルールを設けています。

    (2)やってはいけない表現など

    自主規制では、抽象的な表現は消費者が誤認するおそれがあるため、原則としてその使用を禁止しています。

    具体的には、
    1. 完璧であること、手落ちがないこと、を表現するもの(完全、完璧、絶対など、必ずしも確約できないことの言い切り表現)
    2. 他社よりも優位であることを表現するもの(日本一、抜群、当社だけ、など)
    3. 一定の基準により選別されていることを表現するもの(特選、厳選など)
    4. 最上級であることを表現するもの(最高、最高級など)
    5. 著しく価格が低いことを表現するもの(格安、掘り出しなど)
    6. 著しく人気があり、売れ行きが良いことを表現するもの(完売など)
    もっとも、これらの表現について、そのことを裏付ける合理的な根拠が存在する場合には、その使用は禁止されません。

    7 罰則

    308_7
    これまでに説明してきた広告上の規制を破ってしまった場合には、ペナルティーがあります。

    (1)景表法上の措置命令~罰則

    景表法に違反する広告が表示されている疑いがある場合、消費者庁はまず始めに、事業者への聴き取りといった調査を行います。

    その結果、事業者に違反行為が認められると、消費者庁は事業者に対し措置命令を発することになります。

    ①措置命令~罰則

    「措置命令」とは、以下のような措置を講じることを事業者に命じるものです。
    • 違反行為を差し止めるために必要な措置を講じること
    • 再発防止策を講じること
    • 違反があったことを広く消費者に周知すること
    この措置命令に事業者が応じない場合は、
    • 最大2年の懲役
    • 最大300万円の罰金
    のいずれか、または、両方を科される可能性があります。

    さらに、行為者とは別に、事業者に対し、
    • 最大3億円の罰金
    が科される可能性があります。

    このように、景表法上の罰則は、かなり重いものになっているため、仮に、措置命令を受けた場合には、必ず従う必要があります。

    また、事業者に科されるペナルティはこれだけではありません。事業者が違反行為により得る経済的利益は、上で見た罰金額よりはるかに大きくなる場合があるため、事業者に対して更なる金銭的なペナルティが課されることになっています。

    これを「課徴金制度」といいます。

    ②課徴金制度

    「課徴金制度」とは、刑事罰とは別に事業者に経済的な不利益を与える制度をいいます。

    優良誤認表示や有利誤認表示などの不当表示を行った事業者には、原則として、課徴金が課されることになっています。

    具体的には、不当表示をしていた期間(上限3年)における売上高の3%に相当する額を納入する必要があります。

    もっとも、以下のいずれかにあたる場合は、課徴金の納付を命じられることはありません。
    • 過失なく優良誤認表示もしくは有利誤認表示にあたることを知らなかった
    • 売上高が150万円未満である

    (2)健康食品の広告に対する罰則

    事業者が健康増進法に違反する広告を表示する場合、消費者庁は、まず始めに、その表示を改善するように指導を行います。

    また、その広告が、消費者の健康の維持や増進、正確な情報伝達に大きな影響を与えるおそれがある場合には、消費者庁から、是正勧告を受ける可能性があり、勧告を受けた場合にはその情報が公開されることになります。

    ここでいう「消費者の健康の維持や増進、正確な情報伝達に大きな影響を与えるおそれがある場合」は、たとえば、以下のような場合に認められる可能性が高いといえます。
    • 「表示されている効能がでたらめだった」などの苦情が多数寄せられた
    • 健康被害が出ている旨の苦情が相当数寄せられた
    • 誇大広告の表記内容を信じた病人等が本来の適切な治療の機会を逸してしまうおそれがある
    勧告を受けた事業者が、正当な理由なく従わなかったときは、勧告の内容となる措置を取ることを命ずることができます。

    この命令にも従わない場合、事業者は、
    • 最大6ケ月の懲役
    • 最大100万円の罰金
    のいずれかを科される可能性があります。

    (3)医薬広告に対する罰則

    薬機法は、医薬品などについて、虚偽・誇大広告を禁止しています。

    仮に、自社の広告が薬機法に違反すると、以下のようなペナルティを受ける可能性があります。

    ①刑事罰

    自社の広告が薬機法に違反すると、
    • 最大2年の懲役
    • 最大200万円の罰金
    のいずれか、または、その両方を科される可能性があります。

    ②課徴金制度(予定)

    これまでは、薬機法に違反した場合の罰金が最大でも200万円であったため、事業者が違反行為によって得る経済的利益に比べ低すぎるとの指摘がなされていました。

    そこで、薬機法においても、景表法と同様に、課徴金制度を導入することが法改正により決まっています。

    具体的には、2021年秋頃までには施行される見通しです。

    施行予定の課徴金制度は、違反行為のあった期間を対象として、該当する商品の売上高の4.5%を徴収するものです。

    もっとも、自主的に違反を申告することで、課徴金は半額に減額されるほか、業務改善命令や業務停止命令を受けた場合には、課徴金の納付を課されないこともあります。

    (4)不動産広告に対する罰則

    事業者が宅建業法に違反する広告を表示する場合、国土交通大臣または都道府県知事により業務の全部または一部を停止するよう命じられる可能性があります。

    また、これとは別に、
    • 最大6ケ月の懲役
    • 最大100万円の罰金
    のいずれか、または、その両方を科される可能性があります。

    8 小括

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    「誇大広告」は、景表法を始め、業種などに応じて異なる法規制が存在します。それぞれに注意すべきポイントも異なるため、広告を作成する際には、その前提として、自社が関係する法規制をきちんと理解しておくことが必要です。

    また、広告の表示内容が合理的な根拠に基づくものかどうか、合理的な根拠を示すデータや事実などがあるかどうかなどをしっかりと確認することも併せて必要になってきます。

    法規制に違反した広告を表示してしまうと、罰則に加え、課徴金の納付を命じられる場合もあり、事業者にとっては多大な損失となるため、注意が必要です。

    9 まとめ

    これまでの解説をまとめると、以下の通りです。
    • 広告内容を規制する不当表示は、「有利誤認表示」「優良誤認表示」「その他誤認の恐れのある表示」に分けられる
    • 「有利誤認表示」とは、実際のものや同業他社よりも取引条件が著しく有利であると消費者に誤認を与える表示のことをいう
    • 「優良誤認表示」とは、実際のものや同業他社のものよりも、商品やサービスの内容、品質などが著しく優良であると消費者に誤認を与える表示のことをいう
    • 「その他誤認されるおそれのある表示」とは、消費者に誤認を与えるおそれがあるものとして、内閣総理外人が指定する6項目のことをいう
    • 「健康食品」に関する広告については、健康増進法が規制しており、具体的には、①著しく事実に反する、②著しく人を誤認させるような広告を禁止している
    • 医薬品などのにおいては、効能・効果などに関する虚偽・誇大な記事を広告することが薬機法により禁止されている
    • 不動産広告をする宅建業者は、宅建業法により、所在地、規模、利便性、賃料などについての虚偽や有利誤認表示、優良誤認表示が禁じられている
    • 誇大広告へのペナルティーは、刑事罰のほか、景表法や薬機法(予定)で課徴金制度がある
    AUTHOR
    勝部 泰之

    データサイエンス研究しながら仕事してる弁護士。 一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科(M1・清水研究室)。

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