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契約書

【ひな形付】秘密保持契約書とは?7つのポイントを弁護士が徹底解説

2017.06.072026.10.31
NDA
この記事の目次
    はじめに 取引先と契約をする際に、秘密保持契約書(NDA)って頻繁に目にしますよね。 日常的に目にするため、「秘密保持契約書(NDA)ね。簡単簡単。だから、問題ないよ」と思い込んでいる方も多いのではないでしょうか? あるいは、難解な法律の文章にやられて、適当に流し読みしているのではないでしょうか? 秘密保持契約書(NDA)のチェックが甘い結果、
    • 秘密情報が漏洩されてしまった
    • 秘密情報を受け取る際の「情報管理コスト」が増大してしまった
    • 相手から賠償をしてもらえなかった
    といった事態に陥りかねません。 そこで、以下では、秘密保持契約書(NDA)をチェックする際のポイントを解説していきます。 経産省の最新指針についての情報は「【令和7年版】営業秘密を“守れる会社”へ:経産省「営業秘密管理指針」に基づく実務ガイドの全体像」もご覧ください。

    1 秘密保持契約とは

    「 秘密保持契約」(英語: Non-Disclosure Agreement、略称: NDA)とは、自社の“企業秘密”など、外部に漏れるとマズイ情報を相手企業に提供する場合、これを漏らさないように相手方を縛る契約書をいいます。

    この記事を書いた人

    勝部 泰之勝部 泰之弁護士
    データサイエンス研究しながら仕事してる弁護士。
    一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科に在籍中。主な興味分野は経営学、高次元統計、自然言語処理、ゲーム理論、金融アルゴリズム、ブロックチェーン。
    研究リポジトリはこちら↗

    2 利用場面

    秘密保持契約書の利用場面 秘密保持契約書(NDA)を交わす場面は、例えば、
    • 新規事業における業務の一部を外注するなど、何らかの業務を外部に「業務委託契約」する場合
    • 他社と製品の「共同開発」をする場合
    • システム開発の場合
    • M&Aの検討をする場合
    • WebサイトやECサイトの制作をする場合
    などです。 流れとしては、①秘密保持契約書(NDA)の締結⇒②業務委託契約書等の締結という形になります。

    3 契約書を交わす理由

    秘密保持契約書を交わす理由 なぜ、通常の契約書とは別個に、わざわざ秘密保持契約書(NDA)を交わす必要があるのでしょうか? それは、新規事業を始める場合などを想定するとわかりやすいです。 仮に、自社の企業秘密ともいえる情報が漏れた場合、そのプロジェクト自体がとん挫してしまい、
    1. 投下資本が回収できない
    2. 逸失利益の喪失
    といった多大な損害を受けてしまうからです。 また、ライバル企業との間で契約をする場合において、仮に秘密保持契約書(NDA)がなかったとしたら、自社の秘密情報・ノウハウをその企業に流用されてしまうリスクを防げません。 そのため、通常の契約書とは別に、秘密保持契約書(NDA)を事前に交わして、相手方をきちんと縛る必要があるのです。

    4 チェックポイント

    秘密保持契約書のチェックポイント 以下では、IT業界における秘密保持契約書(NDA)をチェックする際の7つのポイントを解説していきます。

    (1)ポイント①:開示者or受領者?

    秘密保持契約書(NDA)をチェックする際にまず考えるべきは、秘密情報を開示するのは、自社か相手方のいずれなのかという点です。 例えば、契約書上は、「甲及び乙は、秘密情報を第三者に開示してはならない」と書かれていたとしても、自社は秘密情報をほとんど開示せず、むしろ、相手方から秘密情報を受けとるだけであれば、文面とは裏腹に、秘密保持義務を負うのは、自社のみとなります。 この場合、自社としては、情報の管理コスト・リスクを下げるために、義務を「軽く」する方向で、契約書をチェックし、修正していく必要があります。 反対に、自社のみが秘密情報を開示する場合には、秘密情報が漏れにくいようにするために、相手方の行動をきつく縛り、義務を「重く」する必要があります。 このように、契約当事者のどちらが、開示者or受領者となるのかは、秘密を管理する義務を「重くする」のか「軽くする」のか、ひいては、契約書に盛り込むべき事項にかかわってくるとても大事な視点です

    (2)ポイント②:秘密情報の範囲

    次に、漏らされたら困る「秘密情報の範囲(=定義)」を確認する必要があります。 定義した「秘密情報」に含まれない情報については、これを漏らしたとしても、相手方に契約違反を問えなくなります。 そのため、どういった情報を秘密情報に含め、orどういった情報を秘密情報から除外すべきか について、入念にチェックする必要があります。 この秘密情報の範囲については、自社が秘密情報を開示するのか(=開示者になる場合。)、それとも、相手方から秘密情報を受け取るのか(=受領者)になるのか、によって異なります。

    開示者

    秘密情報を開示する場合、可能な限り、秘密情報の範囲を広く設定して、相手方をきつく縛りましょう。

    受領者

    他方で、自社が相手方から秘密情報を受け取る場合には、義務を重くしてはダメで、管理すべき情報の範囲を縮小する方向で、義務を軽くするように修正しましょう。

    (3)ポイント③:目的外利用の禁止

    次に、開示する秘密情報の「目的外利用の禁止」規定を確認しましょう。 そもそも、秘密保持契約書(NDA)を結ぶ理由は、取引を開始する際に提供する秘密情報をその取引以外で流用されたり、漏洩するのを防ぐためです。 ところが、「目的外での利用を禁止する」旨の規定がない場合、他社が秘密情報を悪用して、自社のサービスに流用したとしても、開示した企業は、文句をつけることができなくなってしまいます。 そのため、秘密保持契約書(NDA)をチェックする際には、
    1. 情報開示の「目的」の記載の有無・内容
    2. 1の目的以外で秘密情報を禁止する旨の規定の有無
    を確認してください。

    (4)ポイント④:コピーの可否

    次に、開示した秘密情報が書かれた各種書面・資料について、受領者によるコピーを認めるのかという点について検討する必要があります。 これには、一切のコピーを認めないのは、非現実的なので、それを除けば、基本的には、3つの考え方があります。
    1. 自由にコピーしてよい
    2. 開示目的に必要な限度でのコピーを認める
    3. コピーをする都度、事前に開示者の承諾を得ること

    開示者

    秘密情報を開示する側であれば、③【開示者の承諾がないとダメ】か最低でも②【必要な限度でコピーOK】にしたいところです。 ただ、「コピー」には、PCへデータのダウンロードも含まれてしまうため、そのたびにいちいち開示者の承諾を得ないとダメというのは、現実的ではないかもしれません。 受領者からは、「これでは義務が重すぎる」と言われて、多くの場合修正の必要があります。 そこで、④として、
    「受領者は、開示目的のため合理的に必要な範囲を除き、事前に開示者の書面(電子メール等の電磁的方法を含む。)による承諾を得ることなく、開示者より開示された秘密情報の全部又は一部の複製、複写及び改変を行ってはならないものとする」
    という形で、秘密情報のコピーについては
    • 原則、開示者の承諾が必要なのですが、
    • PCへのダウンロードなどは、例外として承諾はいりません
    というようにすることもアリです。

    受領者

    他方で、秘密情報を受け取る側であれば、①【自由にコピーOK】か②【必要な限度でコピーOK】にしたいところです。 現実問題としては、②【必要な限度でコピーOK】で落ち着くことが多いです。

    (5)ポイント⓹:秘密情報の返却or破棄

    秘密保持契約の期間が終了した後の、開示した(or受領した)資料の取り扱いに関する条項をチェックする必要があります。 具体的には、開示した(or受領した)資料について、秘密保持契約の期間が終了した後、受領者の方で、これを返還しなければならないor破棄しなければならない 旨のいずれかの条項があるかどうかをチェックしてください。

    開示者

    これは、契約期間終了後に、受領者の手元に秘密情報が残っていた場合、これが漏洩したり、不正に使用されないためです。 返還させるのが原則ですが、受領者が「面倒くさい」などの理由でこれを嫌がった場合に備えて、条文上は、
    「受領者は、秘密情報を返還あるいは破棄するものとする」
    という形で、受領者の方で対応方法を自由に選べるようにしておくのが無難です。 なお、秘密情報を「返還」してもらう場合には、返還漏れのチェックは簡単ですが、「破棄」を選択した場合には、破棄したか否かは、開示者からは一見するとわかりません。 そこで、受領者が、破棄することを選択した場合には、「当社は、秘密情報を破棄したことを証明します」という「破棄証明書」を差し入れてもらうのがベターです。 ※破棄証明書のひな形は、こちらからダウンロードしてご利用ください。 【ひな形・テンプレート】秘密情報の「破棄証明書」

    受領者

    他方で、受領者の場合、秘密情報の返還or破棄証明をするのは、できるだけ避けたいところです。 しかし、この条文を除外することは、パワーバランスが弱い場合、難しいです。

    (6)ポイント⓺:ペナルティ

    最後に、秘密保持契約書(NDA)に違反した場合のペナルティをチェックする必要があります。 通常、
    • 「損害を賠償」します
    • 秘密情報の使用の「差止」ができる
    という規定が置かれています。

    開示者

    開示者としては、基本的には、そのままの規定で問題ありません。もちろん、より賠償範囲や差止できる範囲を広げる方向で修正するのはアリです。

    受領者

    他方で、受領者の場合、特に損害賠償の部分については、業務委託契約等に基づいて受領した「報酬額」を限度とするor違反行為によって通常かつ直接に被った損害に限り賠償するものとする という形で、賠償の範囲を制限することが考えられます。

    (7)ポイント⑦:印紙について

    なお、「秘密保持契約書(NDA)や収入印紙を貼る必要があるのか?」という点も考えるべきですが、この点については、基本、印紙代は不要とされています。

    5 ひな形のダウンロード

    秘密保持契約書のひな形 さて、実際に秘密保持契約書(NDA)を交わす場合を想定して、実戦形式で、IT業界における秘密保持契約書をチェックしてみましょう。 ただその前に、「秘密保持契約書(NDA)のひな形」を用意いたしましたので、こちらをダウンロードしてください。 【ひな形・テンプレート】秘密保持契約書(開示者に有利)

    6 実例解説

    実際にチェックしてみましょう、 以下では、開示者に有利な秘密保持契約書(NDA)のひな形を前提に、主に、受領者の視点から、
    • いかなる事項を
    • どのような視点で
    修正すべきかを確認していきましょう。 ※実例では、新規事業に関する業務を受注した場合に交わす秘密保持契約書(NDA)を想定しています。 ※開示者の場合には、基本的には、このひな形をそのままご利用いただけます。   ==================

    秘密保持契約書

    株式会社〇〇〇〇〇(以下、「甲」という。)と株式会社×××××(以下、「乙」という。)とは、甲乙間で相互に開示される情報の取り扱いに関して、以下のとおり合意し、本契約(以下、「本契約」という。)を締結する。なお、本契約の当事者のうち、秘密情報を開示した者又は開示する立場にある者を「開示者」といい、秘密情報の開示を受けた者又は受ける立場にある者を「受領者」という。 第1条(目的) 本契約は、甲及び乙が以下の目的(以下、「開示目的」という。)に関連して、甲乙間で相互に開示する秘密情報の機密保持に関する取り扱いを定めるものである。 開示目的:新規取引検討にかかる各種情報の授受
    • 開示目的を特定しています。これは、目的外利用か否かを判断する前提として、「なぜ、秘密情報を開示するのか?」という「開示目的」を特定する必要があるからです。
      第2条(定義) 1. 本契約において「秘密情報」とは、本契約有効期間中、開示目的に関連して、開示者が受領者に対して開示する技術、営業、業務、財務、組織、その他の事項に関する一切の情報(文書,電子ファイル,口頭その他の媒体のいかんを問わない。)をいう。
      • ⇒「口頭で」開示した情報も「秘密情報」に当てはまるようになっており、「秘密情報」の範囲が広すぎます。受領者としては、秘密情報の範囲を制限する方向で修正しましょう。具体的には、以下の下線部の記載を追記しましょう。
    1.(中略)一切の情報(文書,電子ファイル,口頭その他の媒体のいかんを問わない。)をいう。ただし、口頭で開示された情報については、開示時に秘密情報である旨受領者に伝えられ、かつ開示後30日以内にその旨明示した書面により秘密情報の概要が受領者に通知された場合に限り、秘密情報として扱われるものとする。 2. 前項の規定にかかわらず、受領者が次の各号のいずれかに該当することを書面その他の方法により証明できる情報については、秘密情報から除かれるものとする。 (1) 開示者より開示を受ける以前又は受けた時点ですでに所有していた情報(2) 開示者より開示を受けた時点ですでに公知の情報 (3) 開示者より開示を受けた後に、受領者の責によらず公知となった情報 (4) 正当な権利を有する第三者から機密保持の義務を負うことなく適法に入手した情報 (5) 開示者の秘密情報を利用することなく独自に開発又は創作した情報 (6) 秘密情報から除くことを甲乙相互に確認した情報
      • ⇒ 「書面その他の方法により証明できる情報」というように、「書面による証明」を求めている点で、受領者に過剰な義務を課しています。そのため、この部分は削除して、以下のように修正しましょう。
    2. 前項の規定にかかわらず、受領者が次の各号のいずれかに該当する情報については、秘密情報から除かれるものとする   第3条(目的外使用の禁止) 受領者は、事前に開示者の書面(電子メール等の電磁的方法を含む。)による承諾を得ることなく、秘密情報を開示目的以外に使用してはならない。
    • ⇒ポイント③にあるとおり、「目的外使用の禁止規定」が置かれています。
      4条(複製等の制限) 受領者は、事前に開示者の書面(電子メール等の電磁的方法を含む。)による承諾を得ることなく、開示者より開示された秘密情報の全部又は一部の複製、複写及び改変を行ってはならないものとする。なお、受領者は、複製物、複写物及び改変物についても秘密情報として取り扱うものとし、他の資料と明確に区別してこれらを厳重に保管しなければならない。
      • ⇒ポイント④にあるとおり、このままでは、受領者からみたときに、秘密情報をコピーすることが原則できません。そのため、制限をゆるくする方向で以下のように修正することが考えられます。
    受領者は、開示目的のため合理的に必要な範囲を除き、事前に開示者の書面(電子メール等の電磁的方法を含む。)による承諾を得ることなく、開示者より開示された秘密情報の全部又は一部の複製、複写及び改変を行ってはならないものとする。   第5条(機密保持) 1. 受領者は、秘密情報を善良なる管理者の注意義務をもって機密として管理保持するものとし、事前に開示者の書面(電子メール等の電磁的方法を含む。)による承諾を得ることなく、当該秘密情報を開示対象者以外の第三者に開示又は漏洩してはならない。 2.前項の規定にかかわらず、受領者は、裁判所、検察又は警察の適法・適式な命令、要求及び正式な手続に基づき、秘密情報の開示を義務付けられた場合、当該命令等に従うために必要な限度において、当該秘密情報を開示することができる。但し、この場合、受領者は、事前に開示する部分について開示者に通知するものとし、情報の秘密が保持されるよう最善の努力をした上で開示者の合理的な指示に従うものとする。 3.受領者は、開示目的のために知る必要のある最小限の自己の役員、従業員並びに弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、等の法令上の守秘義務を負う者に対してのみ秘密情報を開示することができる。 4.前項の場合、受領者は、秘密情報を開示した自己の役員、従業員に対し、本契約に基づき自己が負担する義務と同等の義務を負担させるものとし、当該役員、従業員が本契約のいずれかの規定に違反した場合には、当該役員、従業員と連帯して責を負うものとする。 5.受領者が、事前に開示者の書面(電子メール等の電磁的方法を含む。)による承諾を得て、第三者に秘密情報を開示することができる。この場合、受領者は、提供する秘密情報の内容、提供日、提供方法、提供場所及び提供の相手型等,秘密情報の提供を特定するに必要な事項につき、書面(電子メール等の電磁的方法を含む。)により、事前に開示者に通知するものとする。また、受領者は、秘密情報を開示した当該第三者に対し、本契約に基づき自己が負担する義務と同等の義務を負担させるものとし、当該第三者が本契約のいずれかの規定に違反した場合には、当該第三者と連帯して責を負うものとする。   第6条(機密書類等の返還) 本契約が終了したとき、開示目的が中止されたとき、もしくは終了したとき又は時期の如何を問わず開示者の請求があったときは、受領者は、遅滞なく秘密情報、秘密情報を記載又は包含した書面及び記録媒体等並びにそれらのすべての複製物、複写物及び改変物を開示者に返還し、又は開示者の合理的な指示に従って、これらを廃棄又は消去するものとし、その後これらを一切保持しないものとする。廃棄又は消去した場合には、受領者は、これらをすべて廃棄又は消去した旨を証する書面(電子メール等の電磁的方法を含む。)を速やかに開示者に交付するものとする。
    • ポイント⓹にあるとおり、契約期間終了後の「秘密情報の返還or破棄」に関する規定です。
      第7条 (義務の不存在) 甲及び乙は、次の各号に定める事項を、相互に確認するものとする。 (1) 本契約の締結は、開示者の受領者に対するいかなる情報の開示も義務付けるものではないこと。 (2) 本契約に基づく受領者への秘密情報の開示が、何らかの取引を開始する合意としての効力を   有するものではなく、また、開示目的において言及されている取引と同一又は類似の取引を本契約に定める義務を遵守した上で、自ら又は第三者との間において、検討及び実行することを妨げるものではないこと。 (3) 秘密情報は現状有姿で開示者から受領者に対して提供され、開示者は受領者に対し、明示黙示を問わず、秘密情報の内容が第三者の権利を侵害していないことを保証する義務を負わないこと。 (4) 本契約に基づく秘密情報の特定目的適合性、正確性、最新性、適法性等並びに受領者による秘密情報の利用及びその結果について何らの保証も行う義務を負わないこと。   第8条 (保証) 前条第3号の規定にかかわらず、開示者は受領者に対し、本契約に基づき秘密情報を開示する適法な権限を有していることを保証するものとする。   第9条(知的財産権) 1.本契約に基づく、開示者から受領者への秘密情報の開示により、秘密情報に含まれる開示者又は第三者のいかなる知的財産権(著作権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権をいい、これらの権利を取得し、又は登録等を出願する権利、その他のアイディア、ノウハウ、コンセプト及び技術情報等を含む。著作権については、著作権法第27条及び同第28条に定める権利を含む。以下本契約において同じ。)その他一切の権利も受領者に移転又は許諾されるものではない。 2.受領者は、開示者より開示された秘密情報の中に、知的財産権又は知的財産権になりうる情報が含まれていた場合であるか否かを問わず、リバースエンジニアリング、逆コンパイル、逆アセンブル等の解析行為、ソースコード、アルゴリズム、ノウハウ等の情報を取得しようとする行為等、開示者の権利又は利益を侵害する行為を自ら行わず、いかなる第三者にもこれを行わせないものとする。 3.受領者が、開示目的の過程において、前項に違反することなく、開示者より開示された秘密情報を利用することにより、技術上の発明、考案、ノウハウ等の技術的成果を得るに至った場合は、直ちにその旨を開示者に報告するものとする。 4.前項の技術的成果に係る一切の知的財産権の帰属及び取扱いについては、甲乙別途協議の上、これを決定するものとする。なお、当該技術的成果も、かかる協議により帰属が決定するまでの間、秘密情報とみなすものとする。   第10条(漏洩時の措置) 1. 秘密情報が第5条に規定する場合を除き、被害開示者以外の第三者に漏洩した又はその疑いがあると認めたときは、発生原因の如何にかかわらず、受領者は開示者に対し、直ちに状況を報告するとともに、漏洩の有無等を調査し、漏洩の事実を認めるときはその原状回復と再発防止に必要な措置を講じなければならない。 2. 前項の場合において、受領者は、開示者の合理的な指示に従うものとする。   第11条(権利義務の譲渡の禁止) 甲及び乙は、事前に相手方の書面による承諾を得ることなく、本契約により生じた権利及び義務の全部又は一部、もしくは本契約上の地位を第三者に譲渡し、担保に供し、承継させ、又はその他の方法により処分をしてはならない。   第12条(損害賠償) 1. 受領者の責に帰すべき事由により、秘密情報が漏洩し、これにより開示者に損害を与えたときは、受領者は、開示者に対して損害の賠償をしなければならない。 2. 甲及び乙は、前項に定めるほか、本契約に違反し相手方に損害を与えたときは、当該違反行為により被った損害の賠償をしなければならない。
      • ⇛この規定自体不当というわけではありませんが、ポイント⓺にあるとおり、受領者の賠償義務を制限する方向で、下記のとおり修正しましょう。
    1. 受領者の責に帰すべき事由により、秘密情報が漏洩し、これにより開示者に損害を与えたときは、受領者は、開示者に対して、〇〇年〇日〇付別途締結した業務委託契約に基づき受領者が受け取った報酬額を限度として、損害の賠償をしなければならない。   第13条(差止) 1.受領者が本契約に違反したときは、開示者は受領者に対し、受領者に開示した秘密情報の使用の差止請求をなすことができる。 2.前項の規定は、開示者が受領者に対して損害賠償の請求をなすことを妨げるものではない。   第14条(契約の有効期間) 1.本契約の有効期間は契約締結日にかかわらず●年●月●日から1年間とする。但し、契約満了1ヶ月前までに甲乙いずれからも書面による申し入れがない限り、さらに1年間延長するものとし、それ以降も同様とする。 2.本契約第2条乃至第13条及び第15条乃至第17条の規定は、本契約終了(終了事由を問わない)後においても引き続き有効とする。   第15条(反社会的勢力の排除) 1.甲及び乙は、相手方に対し、次の各号のいずれかにも該当せず、かつ将来にわたっても該当しないことを表明し、保証する。 (1) 自ら又は自らの役員もしくは自らの経営に実質的に関与している者が、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋、社会運動等標ぼうゴロ又は特殊知能暴力集団等その他反社会的勢力(以下総称して「反社会的勢力」という。)であること。 (2) 反社会的勢力が経営を支配していると認められる関係を有すること。 (3) 反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められる関係を有すること。 (4) 自ら若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってするなど、反社会的勢力を利用していると認められる関係を有すること。 (5) 反社会的勢力に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有すること。 (6) 自らの役員又は自らの経営に実質的に関与している者が、反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有すること。 2.甲及び乙は、相手方に対し、自ら次の各号のいずれかに該当する行為を行わず、又は第三者を利用してかかる行為を行わせないことを表明し、保証する。 (1) 暴力的又は脅迫的な言動を用いる不当な要求行為。 (2) 相手方の名誉や信用等を毀損する行為。 (3) 偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害する行為。 (4) その他これらに準ずる行為。 3.甲又は乙は、相手方が前二項のいずれかに違反し、又は虚偽の申告をしたことが判明した場合、契約解除の意思を書面(電子メール等の電磁的方法を含む。)で通知の上、直ちに本契約を解除することができる。この場合において、前二項のいずれかに違反し、又は虚偽の申告をした相手方は、解除権を行使した他方当事者に対し、当該解除に基づく損害賠償を請求することはできない。 4.前項に定める解除は、解除権を行使した当事者による他方当事者に対する損害賠償の請求を妨げない。   第16条(合意管轄) 甲及び乙は、本契約に起因し、もしくは関連する一切の紛争が生じた場合、訴額に応じて東京簡易裁判所又は東京地方裁判所を第一審の専属的管轄裁判所とすることに合意する。   第17条(契約に定めのない事項) 本契約に定めのない事項及び本契約の条項に関して疑義を生じたときは、甲乙双方誠意をもって協議し解決するものとする。

    (全17条)

    ※【ひな形の注意事項】
    • 本記事にてダウンロード可能な各種ひな形の著作権その他の一切の権利については、弁護士伊澤文平に専属的に帰属しております。したがいまして、ひな形の利用許諾は、これら権利の移転を意味するものではありません。
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    • 各種ひな形の内容に関して、弁護士伊澤文平はいかなる保証も行わず、ひな形の利用等に関して一切の責任を負いませんので、予めご承知おきください。
    AUTHOR
    勝部 泰之

    データサイエンス研究しながら仕事してる弁護士。 一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科(M1・清水研究室)。

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