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  4. リベンジポルノ被害を受けた場合の3つの対処法、削除法、相談先とは
時事ニュース

リベンジポルノ被害を受けた場合の3つの対処法、削除法、相談先とは

2017.12.072025.11.27
リベンジポルノ
この記事の目次

    はじめに

    みなさんは、恋人との間で、一度はエッチな画像を撮ったことがあるのではないでしょうか? 三鷹ストーカー殺人事件依頼、いわゆるリベンジポルノが年々増え続けており、学生や社会人の間で流行り、社会問題化しています。 ですが、自分自身あるいは、友達がリベンジポルノ被害にあった場合、どのように対処すればいいのか?をきちんと理解している人は少ないと思います。 警察にいけばいいのか、それとも、弁護士に頼めばいいのか、正直さっぱりわからないですよね。 また、実際にリベンジポルノ被害にあわれた方であれば「リベンジポルノ画像が拡散してしまって、知人や親に見られてしまうのではないか?」といった不安に押しつぶされ、夜も眠れない状態かと思います。 そこで、実際にリベンジポルノ被害にあった場合に、被害者がとるべき3つの対処法について、わかりやすく解説していきます。

    この記事を書いた人

    勝部 泰之勝部 泰之弁護士
    データサイエンス研究しながら仕事してる弁護士。
    一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科に在籍中。主な興味分野は経営学、高次元統計、自然言語処理、ゲーム理論、金融アルゴリズム、ブロックチェーン。
    研究リポジトリはこちら↗

    1 リベンジポルノとは

    リベンジポルノ 「リベンジポルノ」とは、元カレなどが、別れたことの嫌がらせとして、交際中に写真に収めた被害者女性のエッチな画像・動画などを、無断でSNS上などのアップロードして拡散する行為をいいます。 具体的な手段としては、Twitter、FacebookやlineなどのSNSやインターネット上にポルノ画像をアップロードするケースが多く見られます。 リベンジポルノ画像がネット上に一度アップロードされてしまうと、リベンジポルノ画像は瞬く間に拡散します。日本、そして世界中のユーザーが閲覧できる状態になってしまうため、その被害は深刻です。 そのため、リベンジポルノが行われた、あるいは、行われようとしている場合には、迅速にこれに対処する必要があります。

    2 リベンジポルノ被害への対処法

    リベンジポルノ リベンジポルノ画像がネットに拡散されてしまった、あるいは、「ネットに拡散するぞ!」といった形で脅されている場合、大きく分けると、以下の3つの対処法があります。
    1. 削除
    2. 民事上の対処法
    3. 刑事上の対処法
    次の項目から詳しくみていきましょう。

    3 対処法①:削除

    削除 リベンジポルノの多くの事例では、エッチな画像・写真が、Twitter・lineなどのSNS上に拡散されてしまいます。 被害者としては、どうしてもリベンジポルノ画像・写真を消したいですよね。 これらの画像・写真については、SNS別に、以下の方法で削除できる可能性があります。

    (1)すべてのSNSに共通する削除のポイント

    いずれのSNSについても、以下のポイントを踏まえて、サービス運営者と交渉して削除してもらう必要があります。
    • 何をしてもらいたいのかを明示すること。削除・投稿者の特定・損害賠償請求のいずれを希望するのか。リベンジポルノでは、まずは「削除」をしたいことを伝えます。
    • どういった権利が侵害されているのかを特定すること。リベンジポルノでは、プライバシー権です。
    • どういった態様で侵害されているのかを具体的に説明すること。
    • なぜ、それがプライバシー権を侵害しているのといえるのか、その理由を説得的に、ロジカルに説明すること。
    そして、交渉の手続きとしては、まずは、各種サービスサイトに設置された「問い合わせ窓口」から、上記ポイントを踏まえた「文書」を入力して送信する形になります。 ※もちろん、必ずサービス運営側が削除に応じるわけではないので、この場合には、裁判手続きを利用せざるを得ません。

    (2)Twitter(ツイッター)

    Twitter

    ①Twitter(ツイッター)の特徴

    「Twitter(ツイッター)」とは、個人が140文字以内のテキスト情報を投稿(「ツイート」といいます。)して、ユーザー間で自分の思い・関心ごとを共有するSNSサービスです。 「トリのマーク」で有名な、アメリカのカリフォルニア州に本社を置く法人です。 Twitter(ツイッター)は、その手軽さゆえに、投稿への心理的ハードルが低く、また、「晒し垢(サラシアカ)」といって、エッチな画像を投稿するための別アカウントを容易に作成できるため、リベンジポルノの温床になっています。 Twitter(ツイッター)のユーザー数は、世界で約3億2800万人もおり、また、Facebook(フェイスブック)などの他のSNSとの「シェア」も簡単ため、非常に拡散性が高いSNSと言われています。 そのため、Twitter(ツイッター)上にリベンジポルノ画像が投稿された場合の被害は、甚大なものになります。

    ②Twitter(ツイッター)での削除方法

    Twitter(ツイッター)上に投稿されたリベンジポルノ画像を削除したい場合には、まず、以下の「サポートページ」へアクセスしてください。 「Twitterサポートページ」 アクセスすると、以下の事項の入力が求められます。先ほど説明した「削除のポイント」を踏まえて、削除すべき理由などを作文した上で入力し、Twitter社へ送信することになります。
      【主な入力項目】
    • 加害者のアカウントのユーザー名(「@●●●●」の部分)
    • 問題のツイートのURL(「http://●●●●」の部分)
    • 権利を侵害していると考える理由(ここがポイント)
    • 被害者である自分の居住地(「japan」を選択)
    • 自分のメールアドレス(「@gmail.com」などでOK)
    • 自分のTwitter上のユーザー名(「@●●●●」の部分)
    • 自分の戸籍上の氏名(例:「山田太郎」)
    • 身分証明書などのアップロード(例:運転免許証、パスポートなどの写し)

    ③削除までのスケジュールなど

    身分証明書をアップロードしてから、だいたい1週間程度で、Twitter(ツイッター)社から、「削除の可否」の返信が、登録したメールアドレスの方に通知されます。 このとき、見事削除に成功すれば、これにて終了ですが、削除されていない場合には、追加の証拠提出などが求められることもあります。この場合には、指示通りの証拠を再提出して、削除を目指すことになります。

    (3)Line(ライン)

    line

    ①Line(ライン)の特徴

    「Line」とは、スマホやPC上で、友人や恋人などとチャット形式でコミュニケーションが取れる無料のアプリです。 日本の法人であるLine株式会社が運営しているSNSサービスで、「緑色でLineと書かれたアイコン」があまりにも有名です。 Lineは、Twitterなどとは違い、ネット上でそのやりとりが公開される仕様ではありません。そのため、拡散性という点では、Twitterやあとで説明するFacebookなどに比べると少し弱いです。 ただし、Lineには「グループ機能」があり、知人の間でグループを作られ、そこにリベンジポルノ画像が投稿されるといった形で拡散していきます。 また、Lineの利用数は、世界的にみるとTwitterに劣り、約2億1700万人ですが、日本国内では、約7000万人にものぼり、人口の約70%もの人がLineを利用していることになります。もはや、日本のコミュニケーションのインフラといってよいでしょう。 こういったLineの利用状況や、チャット形式で画像のアップロードと送信が非常に簡単であるという手軽さが相まって、Lineでのリベンジポルノ被害は甚大になります。 また、Lineの場合には、画像の拡散だけでなく、「●●しないと、エッチな画像をばらまくぞ!」という形で、脅迫の手段として利用されるケースも多いのが実情です。

    ②Line(ライン)の削除方法

    Line(ライン)上に投稿されたリベンジポルノ画像を削除したい場合には、まず、以下の「問題報告フォーム」へアクセスしてください。 「問題報告フォーム」 アクセスすると、以下の事項の入力が求められます。先ほど説明した「削除のポイント」を踏まえて、削除すべき理由などを作文した上で入力し、Line社へ送信することになります。
    • 問題が発生したデバイスを特定(スマホかPCかなど)
    • デバイスの機種を特定(androidかiPhoneか、WindowsかMacかなど)
    • 株式会社Lineのサービスのうち、どのサービスで問題が起きたのか(Line、Line@など)を特定
    • トラブルの種類を特定(「迷惑行為」など)
    • トラブルの詳細を説明(「トークでの嫌がらせ」など)
    • 返信用メールアドレスの登録(「@gmail.com」などでOK)
    • Lineを利用している国の選択(「日本Jpan」を選択)
    • 登録済みの自分の電話番号
    • 登録済みの自分のメールアドレス
    • 嫌らがらせを受けているのは誰なのかを特(「本人」「家族」など)
    • リベンジポルノが行われた場所の特定(「1対1トーク」「グループトーク」など)
    • 具体的なリベンジポルノ被害の内容(ここがポイント)
    • 脅されているテキストでのやりとりや画像の「キャプチャ(スクリーンショット)」を添付する

    ③Lineの削除における留意事項

    Lineには、Twitterと同じように、こういった削除申請フォームが形としては一応用意されれています。 ですが、元々ネット上で公開されているTwitterとは違い、クローズド(非公開)でのコミュニケーションが想定されるLineでは、「通信の秘密」の観点から、ほとんど削除には応じてくれません。 もっとも、Lineでは、「誰が」リベンジポルノ画像を投稿したのかという点はおのずから明らかなので、削除の申請ではなく、むしろ、次の「4(1)」以降で解説する、加害者への損害賠償請求という手段を考える方が懸命です。

    (4)フェイスブック

    facebook

    ①Facebook(フェイスブック)の特徴

    「Facebook」とは、自分の思いや興味関心のあることを投稿したり、他の利用者の投稿に「いいね!」「シェア」といったアクションを起こすことで共感できるSNSサービスです。 Facebookは、アメリカカリフォルニア州に本社を置く法人(削除対応の運用は、別の法人がしています。)で、「青い色にfマークのアイコン」や、映画にもなったマーク・ザッカーバーグ氏が代表を務めていることでも有名です。 TwitterやLineと比べると、Facebookを通じたリベンジポルノ被害はあまり多くありませんが、世界の利用者数は約13億人、日本国内だけでも約2800万人にものぼるため、拡散された場合の被害は、負けず劣らず大きなものになります。

    ②Facebook(フェイスブック)での削除方法

    Facebook(フェイスブック)上に投稿されたリベンジポルノ画像を削除したい場合には、複数の方法があるのですが、ここでは、最も簡単な手続きのみをご紹介します。 まず、アカウントをお持ちの場合、以下の「Facebookログインページ」へアクセスしてください。 「Facebookログインページ」 アクセスすると、問題となる投稿の右上に「・・・」マークがあり、そこにある「この投稿を報告する」ボタンを押すと、以下の事項の入力が求められます。この削除申請方法の場合、TwitterやLINEの場合とは違い、「権利を侵害している理由や態様」の詳細を説明する必要はありません。
      【主な入力項目】
    • 違反報告をする理由を選択(「Facebookに載せるべきではない」を選択)
    • 問題の投稿がなぜ違反するのかの理由を選択(「性的に露骨」「脅し」などを選択)
    • 審査対象としてFacebookに送信を選択

    ③削除までのスケジュールなど

    リベンジポルノ画像などについて、問題の報告をしてから、1・2週間程度で削除の有無がわかります。対応してもらえれば、終了となりますが、対応してくれないケースももちろんあるので注意が必要です。

    (5)Google(グーグル)

    google これまでは、Twitter・FacebookといったSNSサービス上にリベンジポルノ画像が投稿されたケースを見てきました。 ですが、リベンジポルノは、個人ブログに掲載されたり、各種掲示板に張り付けられたりと、様々な形で拡散していきます。 このような場合には、Twitter社やFacebook社と交渉しても意味がないので、大元であるGoogle社に対して、削除の請求(※厳密には、「Lumen表示」によるノーインデックス処理の請求)をする方法があります。 ※もちろん、個別のサイト管理者に対して交渉することも考えられますが、削除に応じてくれないケースが多いのが実情です。

    ①Google(グーグル)の特徴

    「Google」とは、オンライン上で調べたキーワードを入力すれば、知りたい情報をユーザーに表示してくれるロボット型検索エンジンをいいます。 日本では、「Yahoo!」の検索エンジンも有名ですが、Yahoo!はGoogleのアルゴリズムを利用しています。そのため、Google上での検索結果から削除された場合、同時にYahoo!上でも削除されることが多いです。

    ②Google(グーグル)での削除方法

    Google(グーグル)上に投稿されたリベンジポルノ画像を削除したい場合には、まず、以下の「Legalヘルプ」へアクセスしてください。 「Legalヘルプ」 アクセスすると、以下の事項の入力が求められます。先ほど説明した「削除のポイント」を踏まえて、削除すべき理由などを作文した上で入力し、Google社へ送信することになります。
      【主な入力項目】
    • 居住国(「日本」を選択)
    • 氏名(例:「山田太郎」)
    • 連絡先メールアドレス(「@gmail.com」などでOK)
    • リベンジポルノ画像が投稿されているサイトページのURLなどで画像を特定
    • 問題となる投稿が違法である理由を記載(ここがポイント)

    ③削除までのスケジュールなど

    Google社へ削除の申請をした日からおおむね1~3週間程度で、削除の可否についての返答がメールで届きます。 削除対応をしてくれる場合もあれば、対応してくれない場合もあります。もっとも、削除の対応はできない旨の返答が来てたとしても、必ずしもあきらめる必要はありません。「権利侵害の態様・状況やこれによって生じている不利益の内容・大きさ」などを説得的に説明した文書をメールにて再送信することで、場合によっては、削除の対応をしてくれる場合もあります。

    ④Googleによる検索結果削除の留意点

    仮にGoogle社による削除に成功した場合には、Googleの検索結果上には、以下のような表示(これを「Lumen表示」といいます。)がされます。
      • 【Lumen表示】
     
      Google 宛に送られた法的要請に応じ、このページから ● ●件の検索結果を除外しました。ご希望の場合は、LumenDatabase.org にてこの要請について確認できます。
    これは、問題となるサイトURLを検索エンジン上に「表示しない」(検索結果に引っかからない。)という処理をしたことを示すものです。 このように、Google社による問題の投稿を削除する方法は、厳密には「削除」ではなく、検索エンジン上に「表示させない」(検索に引っかからない)という処理をするにとどまることには注意が必要です。

    4 対処法②:民事上の対処法

    民事

    (1)損害賠償請求

    仮に、ネット上のリベンジポルノ画像が削除できたとしても、削除するまでの間に、知人や親に見られたりしたことで、嫌な思いや体験をしたはずです。 このような場合、リベンジポルノによって受けた精神的な損害を「慰謝料」という形で、元カレなどの加害者に対して、損害賠償請求をすることができます。 実際に、損害賠償請求をする手段としては、
    • 内容証明郵便
    • 訴訟
    の2つがあります。

    ①内容証明郵便

    「内容証明郵便」とは、「誰が、誰宛てに、いつ、どんな内容の手紙を出したのか」ということを郵便局が公的に証明してくれる郵便(手紙)のことをいいます。 リベンジポルノの被害者としては、以下の内容の手紙A4の紙に書き起こし、郵便局へ行って、「内容証明郵便でお願いします」と伝えれば、郵便局の方が丁寧に対応してくれます。
    1. 脅迫行為をやめること
    2. 画像の公開をやめるor画像を削除すること
    3. 上記行為を行った場合には、刑事告訴や損害賠償請求訴訟を行うこと
    4. 既に画像を拡散している場合には、慰謝料〇〇円を支払え
    手紙を単に、郵便ポストへの投函するのではなく、わざわざ内容証明郵便の手段を採る理由は、「加害者にきちんと書面を送ったこと」を証拠として残しておくためです。 証拠に残しておかないと、後々になって、「そんな書面送られてきていない。俺は見ていない」といった形でしらを切られたとき、これに反論することができなくなるからです。 内容証明郵便を送って、加害者が「すいませんでした!慰謝料として〇〇円払います」という形で誠意ある対応をもらえれば、そこで紛争は解決します。

    ②訴訟

    他方で、内容証明郵便の手段でも、加害者が誠意のある対応をしてくれない場合には、いよいよ訴訟を起こすことになります。 「訴訟」とは、被害者が、裁判所を通じて、「加害者は被害者に対し、〇〇円賠償せよ!」といった形での解決案(判決)を求める手続きです。 訴訟・裁判所なんていうと、弁護士しかできないイメージを持たれるかもしれませが、実は、「本人訴訟」といって、弁護士に依頼せずとも、被害者自らが訴訟をすることはできます。 本人訴訟を通じて、裁判所を説得できれば、加害者から、慰謝料としていくらかの賠償金を得ることができます。

    (2)加害者の特定(発信者情報開示請求)

    とはいえ、損害賠償を請求するためには、内容証明郵便だろうと、訴訟だろうと、まずもって、「加害者を特定」する必要があります。 相手方が誰かわからない状態で、郵便を送ることもできませんし、当然、裁判所としても、「相手方わからないんじゃちょっと・・・・」という形で門前払いをしてくるからです。 この点、被害者の認識では、「間違いなく元カレがTwitterなりに投稿しているんです!だったら、加害者は元カレに特定されているのでは?」と疑問に思うかもしれません。 しかし、「法的に」加害者に対して慰謝料などを請求するためには、(固いこというなよ!と感じるかもしれませんが)、客観的に見て「元カレが間違いなくリベンジポルノ画像を投稿した」ということを「証明」しないといけないのです。 例えば、Twitterの晒アカウントを通じて、被害者のリベンジポルノ画像が投降されていたいとしても、それは、元カレの友人が投降したかもしれませんし、あるいは、元カレのスマホがハッキングされて、ハッキングした第三者が投降したものかもしれません。 このように、投稿をした人物としては、元カレ以外にも、理論的な可能性としては存在し得るのです。 そのため、客観的な証拠を集めて、「間違いなく元カレが加害者なんです。元カレを犯人と考えざるを得ないんだ」ということを証明する必要があります。 その具体的な方法としてあるのは、発信者情報開示請求という手続きです。 「発信者情報開示請求」とは、書き込みをした者(発信者)を特定するために、発信者の情報持つコンテンツプロバイダ(Twitter社、Facebook社など)などに対し、発信者に関する情報の開示を求める手続きをいいます。 一口に発信者情報開示請求といっても、これには2段階の手続きがあり、この2段階の手続きをクリアして初めて、加害者を法的に特定することができる仕組みになっています。
    1. コンテンツプロバイダへの発信者情報開示請求
    2. インターネットサービスプロバイダへの発信者情報開示請求

    ①コンテンツプロバイダへの発信者情報開示請求

    まず、リベンジポルノ被害者としては、Twitter社・フェイスブック社などの「コンテンツプロバイダ」に対し、「発信者に関する情報を開示して」という通知文を送る必要があります(通知文の書式:「発信者情報開示請求テレサ書式」)。 ただ、コンテンツプロバイダは、発信者に関する情報のうち、「氏名・住所・電話番号」といった、発信者を直接特定できる情報は持っていません。 彼らが保管しているのは、あくまでも、主に
    1. 特定のIPアドレス(ネット上の住所)からアクセスがあったこと
    2. そのアクセスが◯年◯月◯時◯分にあったこと
    の2点のみとなります。 そのため、開示請求の結果、情報の開示を受けたとしても、これらの情報だけでは、発信者を特定したことにはなりません。 そこで、次の項目で説明する、「インターネットサービスプロバイダへの発信者情報開示請求」が必要になってくるのです。

    ②インターネットサービスプロバイダへの発信者情報開示請求

    コンテンツプロバイダから開示を受けた情報をもとに、次に、nifty、sonetやbiglobeなどの「インターネットサービスプロバイダ」に対し、発信者に関する下記情報の開示請求せよ、との通知文を送ることになります。
    1. 氏名
    2. 住所
    3. 電話番号
    4. メールアドレスなど
    ただし、多くの場合、通知文を郵送しただけでは、発信者の情報を開示してくれないため、実際は、発信者情報開示請求の「訴訟」を起こさざるをえないのが実情です。

    5 対処法③:刑事上の対処法

    刑事 リベンジポルノ被害者としては、民事上の対応のほか、警察に対して、以下の刑事上の対を求めることができます。
    1. 被害届
    2. 告訴

    (1)被害届

    「被害届」とは、盗難などの犯罪が発生した場合に、警察に対し、「捜査し、犯人を逮捕してください!」とお願いする書類です。 リベンジポルノも立派な「犯罪行為」であり、「3年の懲役や50万円の罰金」に処される可能性もある、重大犯罪です。 そのため、リベンジポルノ被害にあった場合には、最寄りの警察署に行くなどして、以下の事項を記載した被害届を出すことで、警察に捜査してもらうことが期待できます。 もっとも、被害届を受理した警察の方で、マンパワーが足りないなどの理由で、捜査が開始されない可能性があるというデメリットがあります。
      【被害届の記載事項】
    • 被害者の氏名、住所、年齢、職業
    • 被害に遭った日時・場所
    • 被害の態様(どのような状況で被害に遭ったのか)
    • 被害物・金額(所有者、財物名、時価、数量、種類・特徴など)
    • 犯人の住所、氏名、人相、服装、特徴等
    • その他参考となるべき事項(証拠)

    (2)告訴

    「告訴」とは、被害届と同じく、警察に対し、捜査をお願いする行為です。 ただし、被害届との大きな違いは、告訴を受理した警察には、捜査を開始する義務がある点です。 もっとも、警察は、マンパワー不足や怠慢などから、「勝訴の見込みが高い事件しか相手にしない」という運用をしているため、告訴をしてもなかなか受理してくれない可能性が高いのが実情です。 そのため、リベンジポルノ被害者としては、まずは、告訴ではなく、被害届を出す方法を検討しましょう。

    6 誰に対して相談すべきか?

    相談 以上の手段がありますが、いずれも、すぐれて技術的な要素がありますし、時間的な制約があるため、被害者の方には荷が重いですよね。 そこで、リベンジポルノ被害にあった場合、これを誰に相談して実現すべきか?を検討することになります。 相談相手として考えられるのは、以下の3つの機関です。
    1. 警察
    2. 一般社団法人セーファーインターネット協会
    3. 弁護士

    (1)警察

    まず、リベンジポルノ被害者としては、「最寄りの警察署」または「性犯罪被害専用窓口性犯罪被害110番」に相談する、という手段が考えられます。 警察などに相談した場合のメリット・デメリットとしては、以下の点が挙げられます。

    ①警察のメリット

    • 加害者を逮捕するための唯一の手段であること
    • 被害届・刑事告訴を受理し、加害者の捜査をしてくれる可能性があること

    ②警察のデメリット

    • 被害者がいくら被害を訴えても、被害届などを受理してくれない可能性が高いこと
    • 民事上の対応は一切できないこと

    (2)一般社団法人セーファーインターネット協会

    「一般社団法人セーファーインターネット協会」とは、行き過ぎた表現の自由を制限し、悪質な書き込みなどの削除を請け負う民間の機関です。 一般社団法人セーファーインターネット協会に相談するメリット・デメリットとしては、以下の点が挙げられます。

    ①セーファーインターネット協会のメリット

    • リベンジポルノ画像の「削除」については、一定の対応をしてくれること
    • 相談自体に、おそらく費用がかからないこと

    ②セーファーインターネット協会のデメリット

    • 必ずしも削除できるとは限らないこと
    • 削除以外の民事上・刑事上の対応については、受け付けてくれない

    (3)弁護士

    以上、警察と一般社団法人セーファーインターネット協会に相談した場合のメリット・デメリットを見てきましたが、いずれも一長一短です。両機関とも、リベンジポルノ被害者の方のニーズを完全に満たす対応はしてくれません。 そこで、検討すべきは、弁護士に相談する方法です。 弁護士に相談した場合には、以下のメリット・デメリットがあります。

    ①弁護士のメリット

    • 削除、民事上の対応、刑事上の対応のすべてが可能なこと
    • ロジカルな文書をかけるため、リベンジポルノ画像の削除可能性が高まること
    • 警察を説得し、捜査を開始してもらえる可能性が高まること
    • 勝ち取れる慰謝料の賠償額が高まること

    ②弁護士のデメリット

    • 費用が一定程度かかること
    • 弁護士の中でも、リベンジポルノに強い弁護士と弱い弁護士がいること

    7 小括

    サマリー リベンジポルノ被害者としては、リベンジポルノ画像の削除を含めた様々な手段があることを知ったうえで、誰に相談すべきかをしっかりと検討しましょう。 リベンジポルノ画像は、時々刻々とネット上で拡散していくため、初動が大事になってきます。 そのため、自分でやってみるのも一つですが、3つの機関のいずれかに相談して、対応を仰ぐのが現実的ですね。

    8 まとめ

    これまでの解説をまとめますと以下のとおりです。
    • リベンジポルノとは、元カレなどが、別れたことの嫌がらせとして、交際中に写真に収めた被害者女性のエッチな画像・動画などを、無断でSNS上などのアップロードして拡散する行為のこと
    • リベンジポルノはTwitter、FacebookやlineなどのSNSを利用した犯行が多い
    • リベンジポルノ被害にあった場合の対処法としては、①削除、②民事上の対応、③刑事上の対応の3パターンがある
    • 削除については、SNSごとに削除方法が異なるので、各SNSが提供する問い合わせ窓口から削除の申請をする必要があり、必ずしも削除してくれるとは限らない
    • 民事上の対応としては、慰謝料の損害賠償請求をすることが考えられる
    • 刑事上の対応としては、まずは、警察署に被害届を出すのがベター
    • 3つの対処法をリベンジポルノ被害者自身がやることもできるが、大変なので以下の3つの機関のいずれかに相談するのがベター。①警察、②一般社団法人セーファーインターネット協会、③弁護士
    • 3つの機関に相談した場合、いずれにもメリット・デメリットがあるため、それをきちんと把握した上で、相談先を決めること
    AUTHOR
    勝部 泰之

    データサイエンス研究しながら仕事してる弁護士。 一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科(M1・清水研究室)。

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