個人情報を漏洩した事業者の責任は?4つの対策とともに弁護士が解説
2021.07.29

この記事の目次
はじめに
個人情報保護の重要性が高まるなか、個人情報が漏洩したというニュースが後を絶ちません。 何らかの理由で顧客の個人情報が漏洩してしまった場合、事業者にはどのような責任が発生するのでしょうか? 従業員に危機意識を持ってもらうためには、情報漏洩に対する法的責任の理解を深めてもらうことも必要です。 今回は、個人情報が漏洩した場合の法的責任と事業者がとるべき対策について、弁護士がわかりやすく解説します。1 個人情報漏洩により事業者が負う責任
個人情報を漏洩した場合、事業者は以下の3つの種類の法的責任を負う可能性があります。- 民事上の責任
- 刑事上の責任
- 行政上の責任
2 民事上の責任
事業者は、漏洩した個人情報に係る本人との関係で、以下の責任を負う可能性があります。(1)債務不履行責任
「債務不履行責任」とは、契約上の義務に違反した場合に、これによって相手方に生じた損害を賠償しなければならないというものです。 そのため、個人情報漏洩について、事業者が債務不履行責任を負うことになるのは、事業者と個人情報を漏洩された本人との間で、個人情報の取扱いに関して何らかの契約が締結されていることが前提となります。 近年では、個人情報管理の重要性が高まっているため、事業者が保有する個人情報について一定のセキュリティ対策を講じることを契約で定めるケースも少なくありません。 この場合、事業者がセキュリティ対策を講じていなかったことに起因して、個人情報が漏洩したと認められる場合には、事業者は契約上の義務に違反したといえ、債務不履行責任を負う可能性があります。(2)不法行為責任
「不法行為責任」とは、他人の権利や利益を違法に侵害した場合に、これによって相手方に生じた損害を賠償しなければならないというものです。 たとえば、従業員が個人情報を漏洩し、これによって他人の権利・利益を侵害した場合、その従業員は不法行為責任を負います。 この場合、事業者は使用者責任を負う可能性があり、また、事業者自体が不法行為責任を負う可能性があります。3 刑事上の責任
事業者が個人情報を漏洩してしまった場合、事案の内容に応じて、個人情報保護委員会から是正勧告・改善命令が出されることがあります。 この場合において、勧告や命令に従わなかった従業員は、- 最大1年の懲役
- 最大100万円の罰金
- 最大1億円の罰金
4 行政上の責任
個人情報を漏洩した事業者は、個人情報保護委員会により以下の対応を受ける可能性があります。- 報告徴収
- 立入検査
- 指導・助言
- 勧告・命令
5 個人情報漏洩の対策
個人情報が漏洩する原因はさまざまですが、そのなかでも従業員が原因を作出しているケースは多いといえます。 そのため、事業者は、個人情報漏洩の対策の一環として、従業員をきちんと管理することが必要になってきます。 具体的には、以下のような管理方法が考えられます。- ルールの策定
- 持ち出しの禁止
- アクセス権の制限
- 漏洩に伴う法的責任の周知











