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労働関係

厚労省ガイドラインに学ぶテレワークの労務管理!3つのポイントを解説

2022.05.112022.05.11
この記事の目次

    はじめに

    コロナ禍で増加したテレワークは、オフィスでの勤務に比べて、勤務時間・場所などを柔軟に活用することができます。 通勤時間の短縮により、従業員の心身にかかる負担を軽減でき、業務の効率化に繋がるため、事業者は、オフィスコストの削減や生産性の向上といったメリットを受けることが可能になるのです。 現状を考えると、テレワークの更なる導入・定着を図ることが今後重要になってくると考えられます。 そのためには、従業員が安心して働くことができるように、使用者は適切な労務管理を行う必要があります。 今回は、テレワークにおいて事業者が注意すべきことや望ましいとされる取組みを明らかにした厚労省ガイドラインを参考に、テレワークの労務管理について、わかりやすく解説します。

    この記事を書いた人

    勝部 泰之勝部 泰之弁護士
    データサイエンス研究しながら仕事してる弁護士。
    一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科に在籍中。主な興味分野は経営学、高次元統計、自然言語処理、ゲーム理論、金融アルゴリズム、ブロックチェーン。
    研究リポジトリはこちら↗

    1 テレワークにおける労務管理上の注意点

    テレワークを導入するにあたって、事業者が労務管理上注意すべきことは、以下の3点です。
    1. 費用負担
    2. 人事評価
    3. 人材育成

    2 費用負担

    テレワークを導入する場合、事業者の事業内容や必要品の貸与などの状況により、費用負担の取扱いはさまざまです。 事業者が注意すべきことは、テレワークの導入により従業員に過度の負担が生じないようにしなければならないということです。 費用を誰が負担するか、負担する場合にいくらまでとするか、などについて、事業者と従業員との間で十分に協議しておくことが必要になります。 加えて、従業員が事業者に費用を請求する場合の請求方法についても、決めておくことが必要でしょう。 双方で協議し取り決めた内容については、就業規則などに定めておくことが望ましいといえます。 たとえば、労働基準法では、従業員に情報通信機器や作業用品などを負担させるような場合には、これらの事項を就業規則に定めなければならないとされているため、注意する必要があります。 また、テレワークでは、従業員が個人的に契約している電話回線などを使って業務を行わせることも少なくありません。 このような場合、オフィスでの勤務に比べて、通話料やインターネット利用料、自宅の電気料金などが増加すると考えられます。 そのため、これらの増加分とテレワークの勤務時間などを基に、実際の費用のうち業務に要した実費を算出し、従業員に支給することも検討すべきでしょう。

    3 人事評価

    テレワークは、オフィスでの勤務のように、対面による働き方ではありません。 そのため、事業者において、各従業員の業務遂行状況などを把握しづらく、人事評価が難しくなるという側面があります。 この場合、事業者は、従業員に対してどのような働きを求めているか、また、その点をどのように処遇に反映するか、という観点から、適切に人事評価を実施することが大切です。 具体的には、従業員に求める内容や水準などを事業者があらかじめ策定し、従業員に示しておくことが必要です。 そのうえで、従業員の達成状況について双方が共通の認識を持つための機会を適宜設けることが望ましいといえます。 事業者によっては、従業員の行動や勤務意欲、態度などを評価対象としているところもあります。 その場合にも、事業者は、評価対象となる具体的な行動の内容や、それに対する評価方法などをあらかじめ策定し、従業員に示しておくことが望ましいでしょう。 一方で、テレワークをしている従業員に対し、時間外のメールや電話に対応しなかったことをもって、不利益な人事評価を行うことは、人事評価として適切とはいえません。 また、テレワークを行う場合とオフィスで勤務する場合とで、評価方法を変える場合には、誰もがテレワークを行えるようにしておく必要があります。 そのうえで、テレワークを選択する従業員に対しては、あらかじめ評価方法の違いなどを説明しておくことが望ましいといえます。 さらに、従業員にテレワークの実施頻度を委ねている場合において、テレワークを行わずにオフィスで勤務していることをもって高く評価することは、テレワークの選択を妨げることになるため、人事評価として適切とはいえません。

    4 人材育成

    テレワークを推進する上で、オンラインによる社内教育を定着させていくことは、事業者・従業員双方にとって有益です。 たとえば、オンラインの特性を活かして、動画などを使ってすぐに学ぶことができるような体制を整備することが考えられます。 また、テレワークを実施する場合、新たな機器やオンライン会議を行うための専用ツールなどを使用することがあります。 その場合、一定のスキルが必要になることもあるため、スキル習得に向けた研修などを実施することも有益でしょう。 この点、労働基準法では、テレワークを行う従業員について、研修や社内教育に関する定めをする場合には、これらの事項を就業規則に定めなければならないとされています。 テレワークを効果的に実施するためには、従業員において、作業能率を考慮し自律的に業務を行うことが必要です。 そのため、事業者は、各従業員が自律的に業務を行うことができるように、社内教育などによって人材育成に取り組むことが望ましいといえます。 また、管理職による適切なマネジメントも必要不可欠であり、管理職が従業員に適切な指示を出せるように、マネジメント研修を行うなどして、管理職のマネジメント能力向上に取り組むことも必要でしょう。

    5 まとめ

    新型コロナ感染症を契機に、テレワークという新たな働き方が定着しつつあります。 事業者は、テレワークを効果的に実施するために、自社の体制を見直すことも大切です。 テレワークの特性に応じて、体制を整備していくことが、テレワークを効果的に実施するための一番の近道だと考えられます。 弊所は、ビジネスモデルのブラッシュアップから法規制に関するリーガルチェック、利用規約等の作成等にも対応しております。 弊所サービスの詳細や見積もり等についてご不明点がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
    AUTHOR
    勝部 泰之

    データサイエンス研究しながら仕事してる弁護士。 一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科(M1・清水研究室)。

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