食品衛生法の改正ポイント7つを弁護士がわかりやすく解説!
2022.05.25

この記事の目次
はじめに
段階的に施行されてきた改正食品衛生法が、2021年6月より全面施行となりました。 今回の改正には、HACCP(ハサップ)の義務化をはじめ、営業許可制度の見直しなど、重要なポイントが数多く盛り込まれています。 食品等を取り扱う事業者は、今回の改正点をきちんと理解し、改正食品衛生法に則って事業を運用していく必要があります。 そこで今回は、改正食品衛生法について、その改正ポイントを弁護士がわかりやすく解説します。1 食品衛生法の改正ポイント
今回の改正ポイントは、以下の7点です。- 食中毒への対策強化
- HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化
- 健康被害情報届出の義務化
- ポジティブリスト制度の導入
- 営業許可制度の見直し・営業届出制度の創設
- 自主回収報告制度の創設
- 輸出入食品の安全証明の充実
2 食中毒への対策強化
広域的な食中毒の発生・拡大を防ぐために、国や都道府県等の自治体が相互に情報共有するなどして連携・協力を図ることになりました。 また、緊急を要する食中毒が発生した場合において、迅速な対応を可能とするために、広域連携協議会が新たに設置されました。 緊急時には、この協議会を活用して、迅速に食中毒に対応することとされています。3 HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化
「HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:ハサップ)」とは、原材料の入荷・製造から製品の出荷にいたるまでの一連の工程において、健康被害を引き起こすおそれのある危害要因を科学的根拠に基づいて管理する手法のことをいいます。 今後は、原則として、すべての食品等事業者において、一般的衛生管理の実施に加え、HACCPに沿った衛生管理を実施することが必要になります。 具体的に実施すべき衛生管理は、事業者の規模に応じて、以下のように定められています。-
【大規模事業者:HACCPに基づく衛生管理】
コーデックスのHACCP7原則に基づき、食品等事業者自らが使用する原材料や製造方法などに応じ、計
画を作成し管理を行うことが必要です
【小規模事業者等:HACCPの考え方を取り入れた衛生管理】
各業界団体が作成する手引書を参考に、衛生管理に取り組むことが必要です
4 健康被害情報届出の義務化
近年、健康食品(サプリメントなど)に関して、健康被害の相談が増えていることなどを受けて、食品等事業者に「健康被害情報の届出」が義務付けられることになりました。 具体的には、厚生労働大臣が定める特別の注意を必要とする成分等を含む食品(指定成分等含有食品)との関連が疑われる健康被害が発生した場合において、同食品を取り扱う事業者が、①人の健康に被害を生じさせた旨の情報、②人の健康に被害を生じさせるおそれがある旨の情報を得たときは、その情報を都道府県知事等へ届出する必要があります。 厚生労働大臣が特別の注意を必要とする成分等として指定しているのは、以下の4品目です。- コレウス・フォルスコリ―
- ドオウレン
- プエラリア・ミリフィカ
- ブラックコホシュ
5 ポジティブリスト制度の導入
「ポジティブリスト制度」とは、食品用器具と容器包装について、安全性が担保された物質のみを使用できるとする仕組みのことをいいます。 これまでは、使用を禁止されている物質に該当しなければ、どのような物質でも使用することができました(ネガティブリスト制度)。 そのため、国外で使用禁止となっている物質であっても、日本で禁止されていなければ、使用することができました。 今後は、安全性が担保された物質でなければ使用することができないため、一般消費者は安心して商品を購入できるようになります。 ※ポジティブリスト制度について詳しく知りたい方は、厚労省ウェブサイト「食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について」をご覧ください。6 営業許可制度の見直し・営業届出制度の創設
食中毒のリスクなどを考慮し、現在の営業許可の業種区分が見直されるとともに、食品を扱う事業者の届出制度が新設されました。 たとえば、以下のような制度の見直し・新設が挙げられます。- 水産製品製造業や液卵製造業、漬物製造業などを法許可業種として新設
- あん類製造業を菓子製造業に統合
- 乳類販売業や食肉販売業、魚介類販売業を届出業種に移行











