企業間転職交渉サービス「HR TRADE」のビジネスモデルを解説
2021.02.02

この記事の目次
はじめに
人材支援の「株式会社プロフィフティーン」が、本年3月より業界初となる企業間の転職交渉サービスを開始します。人材支援のプロフィフティーン(東京・渋谷)は3月から、企業同士が社員の転職について交渉できるサービスを始める。従来、転職志望者は人材紹介会社などを通じ新たな勤務先を探していたが、新サービスではプロスポーツ選手の移籍のように、現在所属する企業を窓口に条件にあった会社を見つけられるようになる。同社によると、企業間で転職交渉ができるサービスは業界初になるという。
日経新聞より
今回は、リリースを間近に控えている企業間転職交渉サービス「HR TRADE(エイチアールトレード)」について、そのビジネスモデルを中心に解説していきたいと思います。
1 サービスの背景と概要
(1)背景
企業にとって、「離職率」を低く抑えることは一つの課題でもあります。 ですが、キャリアアップを目指す社員が転職していくことを完全に回避することは簡単なことではありません。 その一方で、採用コストは年々上昇傾向にあり、人材に割くコストから目をそむけるわけにもいきません。 このように、多くの企業では「人材の採用」と「離職」が経営課題の一つとなっているのです。 このような背景の中で、「HR TRADE」は企業間における人材の移籍を実現することにより、企業と社員の双方にメリットをもたらす仕組みを構築しました。 「HR TRADE」では、転職ミスマッチを防止するための工夫がこらされており、また、移籍が正式に成立すると企業は移籍金を受け取ることができます。 企業が一緒になって社員のキャリアを考えてくれるため、従来のように会社に隠れて転職活動をする必要はなく、社員の可能性をより広げることに繋がる可能性を秘めています。(2)サービスの概要
HR TRADEでは、人材が移籍するまでに以下のような過程を踏むことになります。- 掲載を希望する社員の情報を匿名で掲載する
- 人材を求める企業は人材を検索しオファーをかける
- 企業間で人材に関する情報交換や移籍条件の交渉を行う
- 採用面談を実施し、双方の合意に基づき採用を決定する
- 移籍金が支払われる
2 「HR TRADE」の特徴
「HR TRADE」には、主に3つの特徴があります。
(1)新しいキャリアアップを形成する機会の提供
社員に与えたフィールドや報酬が、社員の能力やキャリアなどと見合わなくなることがあります。 このような状態は、社員が転職を考えだす一つの契機にもなります。 「HR TRADE」では、このような状態に陥った場合に、「移籍」という新しい切り口で社員のキャリアアップを支援することにより、社員の可能性を広げることができます。(2)採用ミスマッチの防止
「HR TRADE」において、掲載される人材情報は、あらかじめ在籍企業により内容の正確性が担保されており、また、長所と短所が記載された推薦状が添付されています。 人材を求める企業は、人材に関する正確な情報を基に、自社が必要とするポジションに適しているかなどを判断できるため、採用ミスマッチが起きる可能性は低くなっています。(3)適切な人材コスト
採用したい人材が見つかった場合、在籍企業との間で直接交渉をすることになります。 移籍条件などについて合意が成立し採用が決まると、企業は在籍企業に対して合意した移籍金を支払います。 「HR TRADE」が採用している上記フローにより、企業は適切な人材コストで適切な人材を採用することが可能です。 また、在籍企業は支払われた移籍金を採用コストに充てることができます。3 利用料金|マネタイズ
「HR TRADE」の利用料金は以下のようになっています。
(1)基本サービス
人材情報の掲載や検索、相手の企業との交渉といった基本サービスは無料で利用できます。(2)移籍金
人材を採用することを決めた企業は、在籍企業に対して移籍金を支払う必要があります。 具体的な移籍金の額は、採用を決めた企業における理論年収からの割合で決めることとされており、同割合は在籍企業が事前に設定することになっています。 なお、移籍金には下記システム利用料金が含まれるため、採用を決めた企業が実際に移籍金として支払う金額は、移籍金からシステム利用料金を差し引いた金額になります。(3)システム利用料金
社員の移籍が決まると、採用を決めた企業は、システム利用料として「移籍金の20%に相当する金額」または「20万円」のうち高くなる額を支払う必要があります。 「HR TRADE」は、このシステム利用料金により収益を上げているわけです。4 ビジネスモデルと法的検討











