eスポーツ大会の賞金との関係で押さえておくべき2つの法律を解説!
2021.06.04

この記事の目次
はじめに
近年、メディアなどで「eスポーツ」が取り上げられることが増えました。 2021年4月には、国際オリンピック委員会(IOC)が、eスポーツタイトルを競技種目とするオリンピックライセンスイベント「Olympic Virtual Series (OVS)」を正式に発表しました。 オリンピックの公式競技としてeスポーツが扱われるのはこれが初めてのことです。 これからもeスポーツ大会が数多く開催されることが予想されるため、大会の主催を検討している事業者もいらっしゃるのではないでしょうか。 もっとも、eスポーツ大会を主催する場合には、その前提として押さえておくべき法律があります。 今回は、eスポーツ大会の「賞金」に関係する法規制について、弁護士がわかりやすく解説します。1 eスポーツとの関係で押さえておくべき2つの法律
eスポーツを主催する事業者は、特に以下の2つの法律を理解しておく必要があります。
- 刑法
- 景品表示法(景表法)
2 刑法|賭博場開帳図利罪の該当性
理解しやすくするために、まずは、大会参加者との関係における刑法上の問題点から見ていきたいと思います。
(1)大会参加者について
eスポーツ大会の中には、賞金が用意されている大会もあります。 一般的に、このような大会で用意される賞金は、スポンサーなどの第三者が拠出していることが多いです。 また、参加料を徴収する大会もあれば、徴収しない大会もあります。 賞金が用意されている大会では、賞金の獲得を目指して参加者同士が競うことになりますが、これが刑法上の「賭博罪」との関係で問題となります。 正確にいえば、大会参加者から参加料を徴収しているeスポーツ大会では、参加者が賭博罪にあがる可能性があるということです。 刑法は、賭博罪について、以下のように定めています。-
- 【刑法185条】
-
- 賭と博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。
- ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない
- 勝敗が偶然によるものであること
- 財物を賭けて勝敗を争うこと
(2)大会主催者について
以上で見てきたように、大会参加者との関係では賭博罪の該当性が問題となります。 このことを前提に、大会参加者に賭博罪が成立すると仮定すると、大会主催者は賭博を行う場を提供しているということになります。 刑法は、以下のように、賭博場を提供する行為を「賭博場開帳図利罪」として処罰の対象としています。-
- 【刑法186条2項】
- 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する
3 景品表示法(景表法)
大会が用意する「賞金」との関係で、もう一つ注意しなければならないのが「景品表示法(景表法)」です。
景表法は、広告等の表示を規制する法律ですが、それとは別に、「景品類」についても規制を設けています。
(1)「景品類」とは
「景品類」とは、以下の3つの要件をすべて満たすものをいいます。- 顧客を誘引するための手段であること
- 取引に付随していること
- 経済上の利益であること
(2)「景品類」に対する景表法上の規制
景表法は、「景品類」の価額について、一定のルールを設けています。 仮に、景品類の価額に一切規制が及ばないとすると、消費者が過大な景品に惑わされて質の低いものや割高なものを買わされてしまうおそれがあります。 また、過大な景品による競争がエスカレートすると、事業者は商品やサービスそのものに力を入れなくなり、消費者の不利益に繋がります。 このような理由で、景品類の価額には最高額と総額の上限が設けられているのです。 具体的には、以下のとおりです。-
- 【最高額】
-
- 取引価格の20倍(最大10万円)
-
- 【総額の上限】
- 売上予定総額の2%











