ファクタリングは違法?違法になるケースと2つの摘発事例を解説!
2022.07.08

この記事の目次
はじめに
近年、「ファクタリング」は企業の資金調達方法の一つにもなっています。 ですが、過去にはファクタリングと称した犯罪も発生しており、金融庁により注意喚起も行われました。 そもそもファクタリング事業は違法なのでしょうか? これからファクタリング事業を始めようと検討している事業者にとっては、一番の関心事かもしれません。 そこで今回は、ファクタリング事業について、実際の事例にも触れながらその違法性の有無を解説していきたいと思います。1 ファクタリングとは
「ファクタリング(factoring)」とは、他人が有する債権を一定の手数料を徴収して買い取り、そのうえで買い取った債権を自身で回収することをいいます。
たとえば、事業者が商品やサービスを提供する場合には、商品代金やサービス料金が発生します。
この場合、契約によって支払期限が設けられていると、事業者はすぐに支払いを受けることはできません。
そうすると、事業者によっては、資金繰りに支障を来す可能性があります。
ファクタリングは、このような事業者のニーズに応え、支払期限前に事業者が有する債権(商品代金やサービス料金)を買い取り、後に自らが債権回収を行うというサービスなのです。
これにより、事業者は支払期限まで待たなくても現金を手にすることができ、資金繰りに困るということもなくなるのです。
2 ファクタリングは違法?|ファクタリングの法的性質
ファクタリングは、大別して「二者間ファクタリング」と「三者間ファクタリング」の2つに分類することができます。
以下では、それぞれについて違法性の有無を見ていきます。
(1)二者間ファクタリング
「二者間ファクタリング」とは、事業者と利用者の二者間で行われるファクタリングのことをいいます。 つまり、事業者と利用者の間で債権を売買するのが二者間ファクタリングです。 以下の条文をご覧ください。-
【民法555条】
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
【民法466条】
債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
(2)三者間ファクタリング
「三者間ファクタリング」とは、事業者と利用者、そして、債務者(利用者に対し本来お金を支払う者)の三者間で行われるファクタリングのことをいいます。 二者間ファクタリングと大きく異なるのは、三者間ファクタリングでは、債務者の承諾を得たうえで、ファクタリングが実行されるということです。 三者間ファクタリングについても、その法的性質が「債権を対象とした売買契約」であるかぎり、原則として違法になることはありません。3 給与ファクタリングの法的性質
「給与ファクタリング」とは、給与債権を対象にして行われるファクタリングのことをいいます。
「今月は少しお金を使いすぎた」「急な出費があってお金がない」といった場合でも、給与ファクタリングサービスを利用することで、給料日前に現金を手に入れることができるため、利用者にとっては大変ありがたみのあるサービスだといえます。
もっとも、2020年3月、金融庁は給与ファクタリングを事業として行うことは「貸金業」にあたるとの見解を示しています。
個人が勤務先に対して有する給与(賃金債権)を対象とした「給与ファクタリング」を業として行うことは、貸金業に該当(貸金業登録が必要)
金融庁ウェブサイト|ファクタリングに関する注意喚起より
給与ファクタリングが対象とする給与(債権)は、労基法上、使用者から労働者に対し直接支払われなければなりません。
たとえ、給与債権を買い取ったとしても、買い取った事業者が使用者に対してその支払いを求めることはできません。
そのため、給与債権を買い取った事業者は、労働者に対してその支払いを求めざるを得ません。
そうすると、給与ファクタリングの仕組みは、事業者から労働者への金銭の交付だけでなく、事業者による労働者からの金銭の回収についても含まれていると見ることができます。
これは、「貸付けとその返済」という機能と同じであるといえるため、「貸金業」に該当するとされました。
そのため、貸金業の登録を受けずに給与ファクタリングサービスを行った場合には、貸金業違反として罰則の対象になります。
4 ファクタリング業者の摘発事例











