スタートアップ企業が「資本政策」を立案する際の3つの注意点を解説
2022.09.21

この記事の目次
はじめに
IPO(株式上場)を目指すスタートアップ企業にとって、「資本政策」は極めて重要な意味をもちます。 完成度の高い資本政策を策定することにより、投資家から信頼を得られやすくなり、目標達成の可能性を高めることができます。 もっとも、資本政策の策定に失敗するスタートアップ企業も少なくないため、きちんとポイントを押さえたうえで立案することが必要です。 今回は、資本政策を立案する際の注意点を中心に、失敗例にも触れながら弁護士がわかりやすく解説します。1 資本政策とは
「資本政策」とは、簡単にいうと、事業者が成長をするための資金調達戦略です。 資金調達を実施する際には、新たに株式を発行し、投資家に割り当てることになります。 スタートアップ企業は、成長フェーズに応じて複数回資金調達を実施することが一般的であるため、資金調達を実施するたびに、既存の持株比率は下がっていきます。 持株比率の割合は、経営への介入の度合いに影響するため、事業者は持株比率についてもしっかりと戦略を立てておくことが必要になります。 このように、資本政策は、イグジットまでに必要となる資金や、株式公開時にあるべき持株比率などを策定するものであり、大変重要な意義をもつものなのです。 ※資本政策を立案するまでのフローについて詳しく知りたい方は、「スタートアップ企業における「資本政策」とは?5つのポイントを解説」をご覧ください。2 資本政策を立案する際の注意点
資本政策を立案するうえで、注意すべきは以下の3点です。- 資金調達方法
- 上場基準
- 持株比率
(1)資金調達方法
スタートアップ企業は、成長フェーズや事業内容によって、必要となる資金も異なります。 また、資金調達方法には、それぞれに独自の特徴があるため、資金調達を実施する場合には、必要な資金を正確に算出したうえで、適切な資金調達方法を選択することが大切です。 資金調達方法としては、たとえば、以下のようなものが挙げられます。- 第三者割当増資
- 種類株式の発行
- 融資
(2)上場基準
多くのスタートアップ企業は、将来的に上場することを目標にしているため、株式市場の上場基準は一つの大きな目標値でもあります。 そのため、資本政策を立案する際には、上場基準をきちんと把握しておくことが必要です。 たとえば、東証一部に上場するための審査基準は、以下のようになっています。- 株主数:800人以上
- 事業継続年数:3年以上
- 時価総額:250億円以上
- 最近2年間の有価証券報告書に「虚偽記載」がないこと
(3)持株比率
先に見たように、「持株比率」は資本政策を立案するうえでも、特に重要となる事項の一つです。 株主の持株比率は、経営への介入に大きく影響を及ぼすため、特に慎重に検討する必要があります。 具体的には、株主の保有株式が以下のいずれかにあてはまる場合には、経営への介入に影響が出るため、注意が必要です。- 保有株式が3分の1を超える場合
- 保有株式が過半数の場合
- 保有株式が3分の2を超える場合
3 スタートアップ企業に見られる資本政策の失敗例
資本政策に失敗する原因はさまざまですが、たとえば、以下ような原因が挙げられます。- 株式を必要以上に与えてしまった
- 株価の評価を誤った
- 上場基準を満たしていなかった











