実は、このトピックを取り扱うにあたって、色々な情報や見解を参考にしたのですが、その中でも特に参考にしたものの一つが、以下の動画です。
NFTs, Explained(youtube)
この動画の中に、以下のコメントがありました。
As soon as humans have enough abundance to have their basic needs met, food, shelter, warmth, etc., the next frontier is to create value in things that have no inherent value.
(訳)人々が食料、居住環境、暖かさなど、(生存のための)基本的なニーズを満たすに足りる豊かさを手にしてすぐに、彼らが次に目指すべきものは「本来的価値を持たない物の中に価値を創造すること」となった。
生存に必要な食糧や居住空間には本来的な価値があります。
ですから、こういったものに貨幣的な価値がつけられ、取引されていくということは誰もが納得しうるところです。
また、人が生存に必要な最低限度のリソースを確保した後であっても、更なる豊かさを求めるのであれば、商品やサービスを求めるという経済活動は続くでしょう。
しかし、それにも限界はあります。
そうすると、人間は「本来は価値のないものに価値を創り出す」ことに興味を持ちます。
このような価値創造は極めて心理的なものですし、その価値に対する主観的な思い入れや、共感に支えられていることになります。
動画の中で、ある試合のレブロンジェームスのプレーがNFT化されて価値がつけられているということが紹介されていました。
NBA top shotとは、NBAの試合でのプレーハイライトをNFTとして取引することができるサービスです。
【参考】
【人気NFT】NBA Top Shotとは?仕組みや買い方・始め方を徹底解説
おそらく、NFTというツールがなければこのような価値を取引の対象とするのは困難であったと思います。
しかし、NFTを使うことによって、試合ごとのハイライトを取引の対象とするようなことが可能になってきます。
「NBA Top Shot」のNFTを売り買いしている人は、その動画を閲覧したいから売り買いしているわけではなく、そのハイライトに価値を感じるコミュニティの中で価値のやり取りをしているということになります。
あるNFTを100ドルで買う人は、「将来150ドルに値上がりしそうだから買っておこう」という期待で買っているのではなく(そういう人もいるでしょうが)、本来的には、自分が100ドルの価値を感じたから100ドルを払えるということになります。
将来高値で転売できそう、とか、その動画の権利でビジネスをして儲けよう、とか、そういう考え方はあくまで経済的な考え方です。
そうではなく、そういった実利的な価値観のレイヤーとは異なるレイヤーで生み出された価値を直接取引の対象としていると説明することができます。
従来の価値観でも、有名選手が引退試合に着ていたユニフォームやホームランボールに高値が付くことがあります。
こういった価格は、ユニフォームやボールという物質に価値があるというよりも、そのような物質に紐づいた付加価値が価値を生み出しているということになるかと思います。
NFTは、このような世界観を超えて、より直接的に、物質的な意味を捨象した価値のみを取引の対象としている、ということになります。